格安ホームページ制作

267. フォーンの場合
※本作品はあくまでホームページ制作に関したフィクションであり、文中のエピソード・セリフその他は、ほぼ全てが作者の創作です。尚、Wikipediaその他の資料を大いに参考にさせて頂いております、ペコリ。

 + + +

●古代ギリシャの怪物フォーンの足の毛は光沢があり、手触りもすべすべしていた…らしい。→注

 + + +

フォーンさん、3937歳。
いままさに、アタマを抱えておるのです。
「う〜ん…こまった。アクロンがない!足毛の手入れができんー!」
「もっともだ!これはゆゆしき事態だ!」
横で同意するのは、父のフォーンシニアです。
そう、昔から伝説の怪物というのは、おもいのほかルックスに気を遣うのです。

 + + +

一気に緊迫する場の空気。ついにフォーンシニアが言いました。
「息子よ、ホームページ制作をやれ!古代ギリシャに、中性洗剤はない。…そう、いまやタウンページより大きな媒体であるインターネットで、自己の窮状を強烈にアッピールするのだ!」
「うーむ、なるほど。ホームページ制作!それはいいかもしれません!」
フォーンも声をうわずらせます。藁にもすがる思いの、「神ファウヌスの親類」でした。

 + + +

さっそくホームページビルダーと『ホームページ制作1週間!』系の本を買いこみ、演奏会を開くのもそっちのけで必死にとりくむも、なかなか作業はすすみません。まずタイトル文作成の時点で、けつまづいてしまうフォーンなのです。
“初めまして、フォーンです。アクロンに難儀しております。古代ギリシャに中性洗剤はありません。アクロンをお持ちの方、ご連絡お待ち致します。”

「う〜ん…ちょっとカタいかな…。」
一応書いてはみたものの、そこはかとなく不安になり考え込むフォーン。そう、昔から伝説の怪物といえど、体毛がボサボサになれば弱気にもなるのです。

“こんにちは、フォーンだよ。べつにクリーニング屋じゃないよ。アクロンを持ってきてくれないか?毛が汚いと、人間どもになめられるのさ!”

「くだけすぎだ。どうもうまくいかん…。」
↓フォーン:独白
う〜ん…マトモに自分でホームページ制作するのは、どうやらムリのようだ。なんかもうやりたくない…かったるい。あきらめるなら早いほうがいい。ムダな努力は、少ないほうがベターだから。

線香花火よりかんたんに挫折してしまう、「神ファウヌスの親類」でした。

 + + +

「あ、ども…フォーンともうします。格安でホームページ制作をお願いしたいのですが…。」

「はい、ありがとうございます!うづき屋です。
ではフォーン様、いったいどのようなご業種でいらっしゃいますか?」

「えー、ひとことでいうと、『豊穣を司る精霊』です。んで、足毛の光沢を取り戻す為アクロンを手にいれたいのです。」

「『豊穣を司る精霊』ですか、なるほど…。ではご自身、いま一番アピールしたいポイントなど、まとめてらっしゃったらお聞かせ願えますか?」

「はい…いいですか?“こんにちは、フォーンだよ。べつにクリーニング屋じゃないよ。〜”ってかんじです。どうですかね?」
不安げに評価を待つフォーン。

「う〜ん…まずお聞きしますが、アクロンを集める為には、どういった単語による検索で、上位にランクされるのが理想的ですか?
自分の希望を、どういった人達に、どのように訴えたいですか?
はい、じゃあまずどのような業種の人達に?」

「う〜ん…やっぱし、毛皮のコレクションしか楽しみがない無趣味・無教養の有閑マダムかな?購入直後の光沢を保つ為、アクロンは必需品だろう?」

「はい、するとまず“毛皮のコレクションしか楽しみがない無趣味・無教養の有閑マダム”“アクロン”この2語が不可欠ですね。そして提供してくれる有閑マダムの毛皮お手入れエリアは、どのへんで区切ります?」

「へ?エリア?」

「つまりですね、あんまり遠くで毛皮のお手入れしてる有閑マダムじゃ訴求しても意味がないので、実際のところ。えーまず、高級住宅地が多い杉並区ですね?あとは世田谷区とか、あのへんまでエリアを広げますか?江東区とか、あっちはちょっと遠いですよね、やっぱり?」

「う〜ん…そうだな、まぁ…それでお願いします。」

「はい。そうしますと、だいたいのタイトル文と紹介文は…たとえばこんな感じになります。」

タイトル文
杉並区で、何も考えず毛皮のお手入ればっかしてる、無趣味・無教養の有閑マダムさんへ:フォーンがアクロンを所望です。”

紹介文
“至急駆けつけ、アクロンを提供してくれませんか?フルートの達人なので、とりあえず身元はたしかです。フローラルブーケの香り:400mlがベスト!世田谷区で毛皮お手入れ中の貴女も、ぜひご協力ください!”

「まぁちょっとくどいですけど、必要なファクターはこれにてOKだとおもわれます。タイトル文と紹介文のなかにキーワードを散りばめつつも、けっして文意は損なわず、コレが大事です。あとは実際のホームページ中にも上記の単語をバランスよく散らし、とりえあず格安に4ページのモノをつくりましょう。」

「えー、4ページというと?」

「はい。まずTOPまたはHOME、ご挨拶ですね。それから怪物としての自己紹介・経歴…まぁプロフィールです、これで2ページ。」

「フムフム、かたちになってきましたね…。」

「つぎに御礼概要…つまりどのようなお礼を、アクロンを提供してくれた有閑マダムに与えうるのか?あ、コース分けはどうです?
たとえば『ワードローブの脱臭に!キムコ1ダース贈呈コース』、または『趣味と教養を!カルチャースクールご紹介コース』とか?あとはご連絡先、つまりお問合せ用のメールアドレスです。できれば固定電話の番号も、キチンと全ページ公開しましょう。ニッコリわらった本人の顔写真などあれば、やはり効果大ですよ。」

「オオッ!なんとかホームページの呈をなしますね!」

「はい!くわえて、現在の窮状をご自身が更新する日記ブログを追加すれば、読む人の親近感はさらにアップ!
〜フォーンの最新人畜無害日記 “他者に危害を加えたりは、しないっす!”
というのはどうでしょう!」

「うーむ…さっそく制作しましょう!」

 + + +

こうしてホームページ制作にふみきったフォーン。おどろくなかれ、1週間もすると手元にアクロンがわんさかさ。今日も元気に足毛をお手入れしつつ、モニターのぞいては検索エンジン&アクセス解析を交互にチェックし、ほくそえむのです。

さぁ皆さんもホームページを格安で制作して、事業をガンガン宣伝いたしましょう。うづき屋は、いつでもお手伝いをいたします。

めでたしめでたし。

 + + +

※あえて歴史上の人物をネタにしてみました。実際に 現存する業種 を具体的に書き込むと、さしさわりがあるモノで(笑)。文中のキーワードを、ご自身の商売に必要なアピール要素に置き換え原稿を作り…どうぞうづき屋にホームページ制作を、ご依頼下さいませ(笑)
※case-by-case:原則にとらわれず、一件ごとの事情に応じ、問題を処理すること。

← →
→コラム:ホームページケースバイケース:TOPへ