格安ホームページ制作

20. 王莽の場合
※本作品はあくまでホームページ制作に関したフィクションであり、文中のエピソード・セリフその他は、ほぼ全てが作者の創作です。尚、Wikipediaその他の資料を大いに参考にさせて頂いております、ペコリ。

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王莽さん、53歳。
いままさに、アタマをかきむしっておるのです。
「う〜ん…こまった。泣き声の悲哀な者が集まらん。「周礼」通りに天に救いを求められん!→注
「ごもっともでございます。ゆゆしき事態でございます。」
たいこもちのような相槌を脇から述べるのは、腹心の孫建です。
そう、昔から偉大な簒奪者というのは、ちょっとおかしい人が多いのです。

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針のむしろのような晩餐の席。孫建が言いました。
「王莽様、ホームページ制作でもおやりになっては?長安界隈の居住者だけでは、十分な数の泣き上手は集まりません。…そう、いまやタウンページより大きな媒体であるインターネットで、自己の窮状を強烈にアッピールなさっては!」
「うーん、なるほど。ホームページ制作か!そいつはいいかもしれん!」
王莽も声をうわずらせます。藁にもすがる思いの摂皇帝でした。

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さっそくホームページビルダーと『ホームページ制作一週間!』系の本を買いこみ、禅譲の根回しなどそっちのけで必死にとりくむも、なかなか作業はすすみません。まずタイトル文作成の時点で、けつまづいてしまう王莽なのです。
“王莽だ。こないだまで大司馬、いまは仮皇帝、ドンドンえらくなるぞ、エッヘン!天に救いを求めるのだ!泣き声が悲痛なもの、みな集まるがよい。”

「う〜ん…ちょっとカタいかな…。」
一応書いてはみたものの、そこはかとなく不安になり考え込む王莽。そう、昔から簒奪者というのは、敵が多いだけにやたら心配性な人が多いのです。

“王莽でーす。べつにしたたかな人じゃないよ。周の世を復活させよう!ひたすら泣いて、お天とさんに救いをおねだり!いざとなると泣きが入るキミ、連絡ちょーだい。”

「くだけすぎだ。どうもうまくいかん…。」
↓王莽:独白
う〜ん…マトモに自分でホームページ制作するのは、どうやらムリのようだ。なんかもうやりたくない…かったるい。あきらめるなら早いほうがいい。ムダな努力は、少ないほうがベターだから。

線香花火よりかんたんに挫折してしまう、摂皇帝でした。

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「あ、ども…王莽ともうします。格安でホームページ制作をお願いしたいのですが…。」

「はい、ありがとうございます!うづき屋です。
では王莽様、いったいどのようなご業種でいらっしゃいますか?」

「えー、ひとことでいうと、皇位簒奪者です。今回は施政景気づけのため、泣き声の悲哀な者を募集したいのです。」

「皇位簒奪者ですか、なるほど…。では、ご自身で一番アピールしたいポイントなど、まとめてらっしゃったらお聞かせ願えますか?」

「はい…いいですか?“王莽でーす。べつにしたたかな人じゃないよ。周の世を復活させよう!〜。”ってかんじです。どうですかね?」
不安げに評価を待つ王莽。

「う〜ん…まずお聞きしますが、泣き声の悲哀な者を集める為には、どういった単語による検索で、上位にランクされるのが理想的ですか?
自分の要望を、どういった人達に、どのように訴えたいですか?
はい、じゃあまずどのような職能の人に?」

「う〜ん…ってか、やっぱ職能自体持たぬリストラさんかなぁ?あーだこーだ悩んで、普段からナチュラルに泣いてそうだから…。」

「はい、するとまず“職能無し”“リストラさん”この2語が不可欠ですね。そして募集する無職を嘆いてる人の居住エリアは、どのへんで区切ります?」

「へ?エリア?」

「つまりですね、とても泣きに来れないような遠くにいる無職の人に訴求しても意味がないので、実際のところ。えーまず、ご自身住われてる長安ですね?あとは山西省とか、あのへんまでエリアを広げますか?上海とか、あっちはちょっと遠いですよね、やっぱり?」

「う〜ん…そうだな、まぁ…それでお願いします。」

「はい。そうしますと、だいたいのタイトル文と紹介文は…たとえばこんな感じになります。」

タイトル文
“ひたすらヒィヒィ泣きじゃくってくれる、長安界隈のリストラされたばかりの人へ:王莽です。”

紹介文
“長安にきて、私の企画したエベントを盛り上げてくれませんか?当地を、悲哀のホットプレイスに!山西省にお住まいのホームレスさんとかも、お気軽にご連絡ください。ガンガン泣いて、昼飯代ゲット!”

「まぁちょっとくどいですけど、必要なファクターはこれにてOKだとおもわれます。タイトル文と紹介文のなかにキーワードを散りばめつつも、けっして文意は損なわず、コレがコツです。あとは実際のホームページ中にも上記の単語をバランスよく散らし、とりえあず格安に4ページのモノをつくりましょう。」

「えー、4ページというと?」

「はい。まずTOPまたはHOME、ご挨拶ですね。それから簒奪者としての自己紹介・経歴…まぁプロフィールです、これで2ページ。」

「フムフム、かたちになってきましたね…。」

「つぎに褒章概要…つまり泣きまくったあかつきにはどのようなご褒美を与えるつもりなのか?あ、コース分けはどうです?
たとえば『特別伝授!組織乗っ取りはうつーコース』、『袖の下取り放題!専売監視官任命コース』とか?あとはご連絡先、つまりお問合せ用のメールアドレスです。できれば固定電話番号も、キチンと全ページ公開しましょう。ニッコリわらった本人の顔写真などあれば、やはり効果大ですよ。」

「オオッ!なんとかホームページの呈をなしますね!」

「はい!くわえて、毎日の情報をご自身が更新する日記ブログを追加すれば、読む方の親近感はさらにアップ!
〜王莽の最新ちゃっかり日記“今日、皇帝に即位したよ!”
というのはどうでしょう!」

「うーむ…さっそく制作しましょう!」

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こうしてホームページ制作にふみきった王莽さん。おどろくなかれ、10日もすると人生うっちゃり泣きまくり組がわんさかさ。きょうも集まった頭数にはしゃぎ、ひとりモニターをのぞいては検索エンジン&アクセス解析を、交互にチェックしほくそえむ毎日なのです。

さぁ皆さんもホームページを格安で制作して、事業をガンガン宣伝いたしましょう。
うづき屋は、いつでもお手伝いをいたします。

めでたしめでたし。

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※あえて歴史上の人物をネタにしてみました。実際に 現存する業種 を具体的に書き込むと、さしさわりがあるモノで(笑)。文中のキーワードを、ご自身の商売に必要なアピール要素に置き換え原稿を作り…どうぞうづき屋にホームページ制作を、ご依頼下さいませ(笑)
※case-by-case:原則にとらわれず、一件ごとの事情に応じ、問題を処理すること。

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