格安ホームページ制作

124. 役小角の場合
※本作品はあくまでホームページ制作に関したフィクションであり、文中のエピソード・セリフその他は、ほぼ全てが作者の創作です。尚、Wikipediaその他の資料を大いに参考にさせて頂いております、ペコリ。

 + + +

●役小角は、流刑先の伊豆大島から毎晩海上を歩き富士山へと登っていった…らしい。→注

 + + +

役小角さん、56歳。
いままさに、苦痛に顔をゆがめておるのです。
「う〜ん…こまった。ティッシュペーパーが足りん!潮風に毎晩あてられたので、鼻風邪をこじらせたー!」
「もっともだ!これはゆゆしき事態だ!」
横で同意するのは、飲み友達の仙人様です。
そう、昔から偉大な呪術者というのは、しばしば自愛を怠るモノなのです。

 + + +

一気に緊迫する場の空気。ついに仙人様が言いました。
「小角、ホームページ制作をやっては?伊豆大島界隈では、もはやティッシュペーパーを調達できぬ。…そう、いまやタウンページより大きな媒体であるインターネットで、自己の窮状を強烈にアッピールするのだ!」
「うーむ、なるほど。ホームページ制作か!それはいいかもしれぬ!」
役小角も声をうわずらせます。藁にもすがる思いの、役行者でした。

 + + +

さっそくホームページビルダーと『ホームページ制作1週間!』系の本を買いこみ、鬼神を飼いならすのもそっちのけで必死にとりくむも、なかなか作業はすすみません。まずタイトル文作成の時点で、けつまづいてしまう役小角なのです。
“初めまして、役小角です。ティッシュペーパーに難儀しております。伊豆大島界隈のティッシュペーパーは、使い尽くしてしまいました。ティッシュペーパーをたくさんお持ちの方、ご連絡お待ち致します。”

「う〜ん…ちょっとカタいかな…。」
一応書いてはみたものの、そこはかとなく不安になり考え込む役小角。そう、昔から偉大な呪術者といっても、鼻が詰まれば弱気になるのです。

“こんにちは、役小角だよ。べつに蓄膿症じゃないよ!鼻水をぬぐうティッシュペーパーを持ってきてくれないか?天井ヶ岳にて入寂するまで、セットバックは許されないのさ!”

「くだけすぎだ。どうもうまくいかん…。」
↓役小角:独白
う〜ん…マトモに自分でホームページ制作するのは、どうやらムリのようだ。なんかもうやりたくない…かったるい。あきらめるなら早いほうがいい。ムダな努力は、少ないほうがベターだから。

線香花火よりかんたんに挫折してしまう、役行者でした。

 + + +

「あ、ども…役小角ともうします。格安でホームページ制作をお願いしたいのですが…。」

「はい、ありがとうございます!うづき屋です。
では役小角様、いったいどのようなご業種でいらっしゃいますか?」

「えー、ひとことでいうと、修験道の開祖です。んで、息が苦しいのでティッシュペーパーを集めたいのです。」

「修験道の開祖ですか、なるほど…。ではご自身、いま一番アピールしたいポイントなど、まとめてらっしゃったらお聞かせ願えますか?」

「はい…いいですか?“こんにちは、役小角だよ。べつに蓄膿症じゃないよ!〜”ってかんじです。どうですかね?」
不安げに評価を待つ役小角。

「う〜ん…まずお聞きしますが、ティッシュペーパーを集める為には、どういった単語による検索で、上位にランクされるのが理想的ですか?
自分の希望を、どういった人達に、どのように訴えたいですか?
はい、じゃあまずどのような業種の人達に?」

「う〜ん…やっぱし寒中水泳同会のメンバーさんかな?いうまでもなく鼻紙は必需品だろう!」

「はい、するとまず“寒中水泳同会のメンバー”“ティッシュペーパー”この2語が不可欠ですね。そして提供してくれるメンバーさんの活動エリアは、どのへんで区切ります?」

「へ?エリア?」

「つまりですね、あんまり遠くの海岸でやせ我慢してる寒中水泳同会さんじゃ訴求しても意味がないので、実際のところ。えーまず、遠州灘ですね?あとは湘南海岸とか、あのへんまでエリアを広げますか?九十九里浜とか、あっちはちょっと遠いですよね、やっぱり?」

「う〜ん…そうだな、まぁ…それでお願いします。」

「はい。そうしますと、だいたいのタイトル文と紹介文は…たとえばこんな感じになります。」

タイトル文
“遠州灘で奮闘中の、寒中水泳同会メンバーさんへ:役小角がティッシュペーパーを所望です。”

紹介文
“至急駆けつけ、ティッシュペーパーを提供してくれませんか?ずーっと後に映画でブームになるので、身元はたしかです。駅前で配ってるパチンコ店のヤツでぜんぜんOK!!湘南海岸で奮闘中のあなたも、ぜひご協力ください!”

「まぁちょっとくどいですけど、必要なファクターはこれにてOKだとおもわれます。タイトル文と紹介文のなかにキーワードを散りばめつつも、けっして文意は損なわず、コレが大事です。あとは実際のホームページ中にも上記の単語をバランスよく散らし、とりえあず格安に4ページのモノをつくりましょう。」

「えー、4ページというと?」

「はい。まずTOPまたはHOME、ご挨拶ですね。それから呪術者としての自己紹介・経歴…まぁプロフィールです、これで2ページ。」

「フムフム、かたちになってきましたね…。」

「つぎに御礼概要…つまりどのようなお礼を、ティッシュペーパーを提供してくれたおまわりさんに与えうるのか?あ、コース分けはどうです?
たとえば『雲に乗って仙人と遊ぶコツ伝授コース』、または『豪華!孔雀王呪経DVDセット贈呈コース』とか?あとはご連絡先、つまりお問合せ用のメールアドレスです。できれば固定電話の番号も、キチンと全ページ公開しましょう。ニッコリわらった本人の顔写真などあれば、やはり効果大ですよ。」

「オオッ!なんとかホームページの呈をなしますね!」

「はい!くわえて、現在の窮状をご自身が更新する日記ブログを追加すれば、読む人の親近感はさらにアップ!
〜役小角の最新大風呂敷日記 “神変大菩薩が説く!”
というのはどうでしょう!」

「うーむ…さっそく制作しましょう!」

 + + +

こうしてホームページ制作にふみきった役小角。おどろくなかれ、1週間もすると手元にティッシュペーパーがわんさかさ。今日もせっせと鼻をかみつつ、モニターのぞいては検索エンジン&アクセス解析を交互にチェックし、ほくそえむのです。

さぁ皆さんもホームページを格安で制作して、事業をガンガン宣伝いたしましょう。うづき屋は、いつでもお手伝いをいたします。

めでたしめでたし。

 + + +

※あえて歴史上の人物をネタにしてみました。実際に 現存する業種 を具体的に書き込むと、さしさわりがあるモノで(笑)。文中のキーワードを、ご自身の商売に必要なアピール要素に置き換え原稿を作り…どうぞうづき屋にホームページ制作を、ご依頼下さいませ(笑)
※case-by-case:原則にとらわれず、一件ごとの事情に応じ、問題を処理すること。

← →
→コラム:ホームページケースバイケース:TOPへ