格安ホームページ制作

112. ニーチェの場合
※本作品はあくまでホームページ制作に関したフィクションであり、文中のエピソード・セリフその他は、ほぼ全てが作者の創作です。尚、Wikipediaその他の資料を大いに参考にさせて頂いております、ペコリ。

 + + +

●ニーチェは、御者に鞭打たれる馬を護ろうとその首を抱きしめながら泣き崩れ、やがて昏倒した…らしい。→注

 + + +

フリードリヒ・ニーチェさん、50歳。
いままさに、アタマをかきむしっておるのです。
「う〜ん…こまった。お馬ちゃん大好き仲間がいない。一人では馬を護りきれん!」
「ごもっともでございます。ゆゆしき事態でございます。」
横で迎合するのは、秘書のペーター・ガストです。
そう、昔から偉大な哲学者というのは、ワケわかんない人が多いのです。

 + + +

一気に緊迫する場の空気。ついに堀田正俊が言いました。
「ニーチェ様、ホームページ制作をやられては?トリノ市だけでは、もはやお馬ちゃん大好き仲間を募りきれませぬ。…そう、いまやタウンページより大きな媒体であるインターネットで、御身の窮状を強烈にアッピールされては!」
「うーむ、なるほど。ホームページ制作か!それはいいかもしれん!」
ニーチェも声をうわずらせます。藁にもすがる思いの実存哲学の先駆者でした。

 + + +

さっそくホームページビルダーと『ホームページ制作1週間!』系の本を買いこみ、ショーペンハウエルについて論じるのもそっちのけで必死に取りくむも、なかなか作業はすすみません。まずタイトル文作成の時点で、けつまづいてしまうニーチェなのです。
“初めまして、ニーチェです。一緒に馬を護りませんか?1人で護るのは、ちょっと気恥ずかしいです。同好の方々、ご連絡お待ち致します。”

「う〜ん…ちょっとカタいかな…。」
一応書いてはみたものの、そこはかとなく不安になり考え込むニーチェ。そう、昔から偉大な哲学者というのは、とうぜん悩まくる人が多いのです。

“こんにちは、ニーチェだよ。べつに変人じゃないよ。お馬ちゃんに抱きついてツァラトゥストラ!思想表現の器は無限大なのさ!”

「くだけすぎだ。どうもうまくいかん…。」
↓ニーチェ:独白
う〜ん…マトモに自分でホームページ制作するのは、どうやらムリのようだ。なんかもうやりたくない…かったるい。あきらめるなら早いほうがいい。ムダな努力は、少ないほうがベターだから。

線香花火よりかんたんに挫折してしまう、実存哲学の先駆者でした。

 + + +

「あ、ども…ニーチェともうします。格安でホームページ制作をお願いしたいのですが…。」

「はい、ありがとうございます!うづき屋です。
ではニーチェ様、いったいどのようなご業種でいらっしゃいますか?」

「えー、ひとことでいうと、強者の自律的道徳論者です。んで永劫回帰説の為、お馬ちゃん大好き仲間を募りたいのです。」

「強者の自律的道徳論者ですか、なるほど…。では、ご自身、いま一番アピールしたいポイントなど、まとめてらっしゃったらお聞かせ願えますか?」

「はい…いいですか?“こんにちは、ニーチェだよ。べつに変人じゃないよ。お馬ちゃんに抱きついてツァラトゥストラ!〜。”ってかんじです。どんなモンですかね?」
不安げに評価を待つニーチェ。

「う〜ん…まずお聞きしますが、お馬ちゃん大好き仲間を募る為には、どういった単語による検索で、上位にランクされるのが理想的ですか?
自分の希望を、どういった人達に、どのように訴えたいですか?
はい、じゃあまずどのような業種の人達に?」

「う〜ん…やっぱし、競馬馬の調教師かな?子供同然に馬を可愛がってるから、イチもにもなく賛同しオフ会してくれるんじゃないか?」

「はい、するとまず“競馬馬の調教師”“お馬”この2語が不可欠ですね。そして集合かける調教師さんの居住エリアは、どのへんで区切ります?」

「へ?エリア?」

「つまりですね、あまり遠方の調教師さんに訴求しても意味がないので、実際のところ。えーまず、茨城県の美浦村ですね?あとは大井町とか、あのへんにもエリアを広げますか?北海道とか、あっちはちょっと遠いですよね、やっぱり?」

「う〜ん…そうだな、まぁ…それでお願いします。」

「はい。そうしますと、だいたいのタイトル文と紹介文は…たとえばこんな感じになります。」

タイトル文
“茨城県の美浦村界隈の、目の中に入れても痛痒を感じぬほど馬を可愛がってる調教師さんへ:ニーチェが馬を護る仲間を募集です。”

紹介文
“至急かけつけ、一緒にお馬万歳のシュプレヒコールをあげてくれませんか?牛も可愛いけど、魂をゆさぶるのはやっぱりヒヒーン!の咆哮さ!大井町で調教中の貴方もぜひご参加ください!”

「まぁちょっとくどいですけど、必要なファクターはこれにてOKだとおもわれます。タイトル文と紹介文のなかにキーワードを散りばめつつも、けっして文意は損なわず、コレがコツです。あとは実際のホームページ中にも上記の単語をバランスよく散らし、とりえあず格安に4ページのモノをつくりましょう。」

「えー、4ページというと?」

「はい。まずTOPまたはHOME、ご挨拶ですね。それから実存主義者としての自己紹介・経歴…まぁプロフィールです、これで2ページ。」

「フムフム、かたちになってきましたね…。」

「つぎに御礼概要…つまりどのようなお礼を、集まってくれた調教師さんに与えうるのか?あ、コース分けはどうです?
たとえば『反時代的考察教授コース』、または『悲劇の誕生クンロクコース』とか?あとはご連絡先、つまりお問合せ用のメールアドレスです。できれば固定電話の番号も、キチンと全ページ公開しましょう。ニッコリわらった本人の顔写真などあれば、やはり効果大ですよ。」

「オオッ!なんとかホームページの呈をなしますね!」

「はい!くわえて、現在の窮状をご自身が更新する日記ブログを追加すれば、読む人の親近感はさらにアップ!
〜ニーチェの最新批判日記 “人間的な、あまりにも人間的な!”
というのはどうでしょう!」

「うーむ…さっそく制作しましょう!」

 + + +

こうしてホームページ制作にふみきったニーチェ。おどろくなかれ、2週間もするとお馬大好き仲間がわんさかさ。きょうも馬の首に抱きつき昏倒しつつ、モニターをのぞいては検索エンジン&アクセス解析を、交互にチェックしほくそえむのです。

さぁ皆さんもホームページを格安で制作して、事業をガンガン宣伝いたしましょう。うづき屋は、いつでもお手伝いをいたします。

めでたしめでたし。

 + + +

※あえて歴史上の人物をネタにしてみました。実際に 現存する業種 を具体的に書き込むと、さしさわりがあるモノで(笑)。文中のキーワードを、ご自身の商売に必要なアピール要素に置き換え原稿を作り…どうぞうづき屋にホームページ制作を、ご依頼下さいませ(笑)
※case-by-case:原則にとらわれず、一件ごとの事情に応じ、問題を処理すること。

← →
→コラム:ホームページケースバイケース:TOPへ