格安ホームページ制作

107. 田文の場合
※本作品はあくまでホームページ制作に関したフィクションであり、文中のエピソード・セリフその他は、ほぼ全てが作者の創作です。尚、Wikipediaその他の資料を大いに参考にさせて頂いております、ペコリ。

 + + +

●田文は、趙の村に立ち寄ったトキ村人に背の低いことを馬鹿にされ、怒って村人を皆殺しにした…らしい。→注

 + + +

田文さん、37歳。
いままさに、アタマをかかえておるのです。
「う〜ん…こまった。シークレットシューズがない!背が低いままだとまたからかわれ激怒し、殺戮を行ってしまう!後世の評判がだいなしだ!」
「ごもっともでございます!ゆゆしき事態でございます!」
横で同意するのは、食客のふうかんです。
そう、昔から偉大な政治家というのは、けっこう短気だったりするのです。

 + + +

徐々に緊迫する場の空気。ついにふうかんが言いました。
「田文様、ホームページ制作をやられては?趙界隈では、シークレットシューズを調達できませぬ。…そう、いまやタウンページより大きな媒体であるインターネットで、自己の窮状を強烈にアッピールされては!」
「うーむ、なるほど。ホームページ制作か!それはいいかもしれん!」
田文も声をうわずらせます。藁にもすがる思いの、孟嘗君でした。

 + + +

さっそくホームページビルダーと『ホームページ制作1週間!』系の本を買いこみ、秦と戦うのもそっちのけで必死にとりくむも、なかなか作業はすすみません。まずタイトル文作成の時点で、けつまづいてしまう田文なのです。
“初めまして、田文です。シークレットシューズに難儀しております。バカにされるとアタマに血が昇ってしまうのです。シークレットシューズをお持ちの方、ご連絡お待ち致します。”

「う〜ん…ちょっとカタいかな…。」
一応書いてはみたものの、そこはかとなく不安になり考え込む田文。そう、昔から偉大な政治家というのは、いかに下らぬテーマにおいても熟慮を怠らぬのです。

“こんにちは、田文だよ。べつに見栄っ張りじゃないよ。シークレットシューズを持ってきてくれないか?高いトコから、逆に見下してやるのさ!”

「くだけすぎだ。どうもうまくいかん…。」
↓田文:独白
う〜ん…マトモに自分でホームページ制作するのは、どうやらムリのようだ。なんかもうやりたくない…かったるい。あきらめるなら早いほうがいい。ムダな努力は、少ないほうがベターだから。

線香花火よりかんたんに挫折してしまう、孟嘗君でした。

 + + +

「あ、ども…田文ともうします。格安でホームページ制作をお願いしたいのですが…。」

「はい、ありがとうございます!うづき屋です。
では田文様、いったいどのようなご業種でいらっしゃいますか?」

「えー、ひとことでいうと、戦国四君の一人です。んで、バカにされ怒らなくてもいいよう、シークレットシューズを手にいれたいのです。」

「戦国四君の一人ですか、なるほど…。ではご自身、いま一番アピールしたいポイントなど、まとめてらっしゃったらお聞かせ願えますか?」

「はい…いいですか?“こんにちは、田文だよ。べつに見栄っ張りじゃないよ。シークレットシューズを持ってきてくれないか?〜”ってかんじです。どうですかね?」
不安げに評価を待つ田文。

「う〜ん…まずお聞きしますが、シークレットシューズを集める為には、どういった単語による検索で、上位にランクされるのが理想的ですか?
自分の希望を、どういった人達に、どのように訴えたいですか?
はい、じゃあまずどのような業種の人達に?」

「う〜ん…やっぱし指名がなくて焦燥気味のホストかな?せめてタッパでオンナにアピールする為、シークレットシューズは必需品だろう?」

「はい、するとまず“指名がなくて焦燥気味のホスト”“シークレットシューズ”この2語が不可欠ですね。そして提供してくれるホストさんの勤務エリアは、どのへんで区切ります?」

「へ?エリア?」

「つまりですね、あんまり遠くのホストクラブじゃ訴求しても意味がないので、実際のところ。えーまず、歌舞伎町ですね?あとは渋谷センター街とか、あのへんまでエリアを広げますか?新小岩とか、あっちはちょっと遠いですよね、やっぱり?」

「う〜ん…そうだな、まぁ…それでお願いします。」

「はい。そうしますと、だいたいのタイトル文と紹介文は…たとえばこんな感じになります。」

タイトル文
“歌舞伎町界隈の、指名がなくて焦燥気味のホストさんへ:田文がシークレットシューズを所望です。”

紹介文
“至急駆けつけ、シークレットシューズを提供してくれませんか?斉の宰相なので、身元はたしかです。サイズは25〜26でお願いします!渋谷センター街でご勤務中の貴方も、ぜひご協力ください!”

「まぁちょっとくどいですけど、必要なファクターはこれにてOKだとおもわれます。タイトル文と紹介文のなかにキーワードを散りばめつつも、けっして文意は損なわず、コレが大事です。あとは実際のホームページ中にも上記の単語をバランスよく散らし、とりえあず格安に4ページのモノをつくりましょう。」

「えー、4ページというと?」

「はい。まずTOPまたはHOME、ご挨拶ですね。それから宰相としての自己紹介・経歴…まぁプロフィールです、これで2ページ。」

「フムフム、かたちになってきましたね…。」

「つぎに御礼概要…つまりどのようなお礼を、シークレットシューズを提供してくれたホストさんに与えうるのか?あ、コース分けはどうです?
たとえば『イザ!というトキ役に立つ食客の集め方伝授コース』、または『逃げ穴を3つは作っとく生き方伝授コース』とか?あとはご連絡先、つまりお問合せ用のメールアドレスです。できれば固定電話の番号も、キチンと全ページ公開しましょう。ニッコリわらった本人の顔写真などあれば、やはり効果大ですよ。」

「オオッ!なんとかホームページの呈をなしますね!」

「はい!くわえて、現在の窮状をご自身が更新する日記ブログを追加すれば、読む人の親近感はさらにアップ!
〜田文の最新鶏鳴狗盗日記 “成程、どんなヤツでも使いようがある!”
というのはどうでしょう!」

「うーむ…さっそく制作しましょう!」

 + + +

こうしてホームページ制作にふみきった田文。おどろくなかれ、1週間もすると手元にシークレットシューズがわんさかさ。今日も上から世間を睥睨しつつ、モニターのぞいては検索エンジン&アクセス解析を交互にチェックし、ほくそえむのです。

さぁ皆さんもホームページを格安で制作して、事業をガンガン宣伝いたしましょう。うづき屋は、いつでもお手伝いをいたします。

めでたしめでたし。

 + + +

※あえて歴史上の人物をネタにしてみました。実際に 現存する業種 を具体的に書き込むと、さしさわりがあるモノで(笑)。文中のキーワードを、ご自身の商売に必要なアピール要素に置き換え原稿を作り…どうぞうづき屋にホームページ制作を、ご依頼下さいませ(笑)
※case-by-case:原則にとらわれず、一件ごとの事情に応じ、問題を処理すること。

← →
→コラム:ホームページケースバイケース:TOPへ